目黒教会のキリスト者共同体の皆様へ

2022-07-29

2022年6月

十主の平和

私はグアダルペ宣教会のアントニオ・カマチョ・ムニョスと申します。メキシコシティ出身です。
皆様に心からご挨拶を申し上げます。

 すでにご存知のように、東京大司教のタルチシオ菊地大司教様は、私を復活祭後から目黒教会に任命することを決定されました。
 私は、キリストの足跡を共に歩みたいと願っておられる皆様の兄弟であり、しもべとして、皆様に私の思いをお話ししたいと思います。
 その前に、私の前任者であるパスクアル宮下良平神父様が、この親愛なる共同体のためにしてくださったすべてのことに、心から感謝したいと思います。

 イエス様は、私たち一人ひとりのために命を捧げてくださった良い羊飼いです。そして、私たちが豊かな命を得ることができるようにしてくださり、また良い羊飼いとして私たちを託されたのです。
散り散りになった羊がたくさんいるのに、よい羊飼いがいないのです。そして、良い羊飼いになるためには、良い羊になることをもう一度学ばなければなりません。

私は「聖性」「一致」「宣教の喜び」というこの3つの方法で、皆様と共に司牧に励んでいきたいと思っています。

 第一に「聖性」です。これは、神はあなた方信徒一人ひとりに、毎日、どんな時も、利己主義や偽りに屈することなく、「愛を生きる聖性」へと呼びかけておられるという意味です。特に家族に対しては、奉仕と無私の愛を基本にして、神が子どもの心に託した夢を育むようにと呼びかけています。若者や子供たちの心が、快楽や権力や個人主義で汚されないで、神が彼らの中に愛の計画を実現されるようにしましょう。そのためには、常に神の言葉に耳を傾ける祈りの共同体となることが不可欠です。

 第二に「一致」です。毎日分裂し、偏向し、敵を作る「有名な公人たち」と同じことをしないことです。私たちキリストに従う者は、イエスの司祭としての祈りである「私たちが皆一つになるように」の実を結んでいるのです。私たちの心の中には、交わり、友愛、共同体への願いがあります。団結へ至る道は疲れを伴います。しかし、そこに至るためには、常に謙虚さを保ち、自分の限界を受け入れ、一人では何も達成できないということ、そしてまた、より良い世界と共同体の構築にはチームワークが大切であることを理解しなければなりません。

 最後に「宣教の喜び」です。本来、クリスチャンは「福音を告げる者」です。キリストにある神の愛を体験するとき、私たちはそれを伝えたいという気持ちを抑えることができません。私たちの信仰は、特に多くの苦しみや暴力、悲惨さに囲まれているときに、広まり、共有されるのです。社会に落胆や悲観が蔓延するならば、そこは不毛の地と化してしまうのです。教皇フランシスコは「教会は常に出向くべき」と言っておられます。教会である私たちは勇気をもって、不毛の地に出向きましょう。神に信頼して出向くときに、主はいつも私たちに寄り添っておられ、母である聖母マリアも共におられます。

 私たちにとって、人生は継続的な学校であり、常に学び、イエス・キリストという一人の教師の永久的な弟子です。そのための方法論はただ一つ。イエスに従うことを学び、イエスを見つめ、イエスの足跡をたどり、イエスの感情を共有し、イエスの優先順位に従って行動することです。

 聖アンセルモが、この世を去る前に、最後に残した言葉です。『いかに良い事でも決心だけでは何の役にも立たぬ。之を実行に移してこそ、始めてその価値を生ずるのである。天国の真の喜びがあるところに、私たちの心の望みは常にあるはずだ』。

 皆様、今から「真の喜びに生きる教会」を一緒に作っていきましょう。
 これから、よろしくお願いいたします。


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